日銀マイナス金利5年 膨らむ「副作用」 成果限定的でも後に引けず

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日本銀行本店=東京都中央区日本橋本石町2で2019年9月12日、後藤豪撮影
日本銀行本店=東京都中央区日本橋本石町2で2019年9月12日、後藤豪撮影

 日銀が「マイナス金利政策」を導入してから16日で5年を迎えた。日銀に余ったお金を預けている金融機関から「手数料」を取る異例の政策だ。銀行がお金を貸し出しに回すようになって経済が活性化することを狙ったが、5年で成果は上がったのか。【安藤大介、浅川大樹】

 「物価に悪影響が及ぶリスクが増大している。リスクの顕在化を防ぐため、マイナス金利を導入する」。日銀の黒田東彦総裁は2016年1月29日の記者会見で、翌2月16日からのマイナス金利政策導入を宣言した。当時は中国など新興国経済への先行き不安が強まり、金融市場が世界的に不安定になっていた。

 13年の就任以降、国債を大量に購入する「異次元緩和」で市場を驚かせてきた黒田総裁。だが、2%の物価上昇目標を達成するめどは立たず、異次元緩和の限界がささやかれていた。期待をつなぎ留めるため、新たな金融緩和の手段として「サプライズ」で発動したのがマイナス金利だった。

 通常は預金すると利息が付くが、マイナス金利は預金すると逆に利息を取られる。日銀は金融機関から預かるお金に利息を付けていたが、マイナス金利導入後は一部にマイナス0・1%の金利を課し、金融機関にとっては預けるお金が増えるほど損をするというしくみにした。金利を一段と引き下げ、企業や個人がお金を借りやすくするとともに、日銀に漫然とお金を置いていても利息をもらえていた銀行が「手数料を取られるくらいなら貸し出しに回そう」と考える効果を狙った。

 マイナス金利の導入後、実際に貸出金利は一段と低下し、アパート建設などの不動産向け融資は伸びた。ただし、日銀が期待した企業の設備投資など、貸し出し全体を増やす効果があったかどうかは明確ではない。新型コロナウイルス流行を受けた政府の企業支援が本格化する前の20年3月末まで…

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