「黒染め強要」訴訟 大阪府に33万円の賠償命令 地裁判決

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大阪地裁が入る合同庁舎=大阪市北区で2020年11月27日、服部陽撮影 拡大
大阪地裁が入る合同庁舎=大阪市北区で2020年11月27日、服部陽撮影

 生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう学校から強要されて不登校になったとして、大阪府羽曳野市の府立懐風館高校に通っていた女性(21)が府に約220万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は16日、府側に33万円の賠償を命じた。横田典子裁判長は「黒染めの強要はあったとはいえない」と頭髪指導の妥当性を認めた上で、不登校後に名簿から女性の氏名を削除したことなどを違法と指摘した。

 大阪府の吉村洋文知事は記者団の取材に、「判決文をしっかり見た上で、適切に対応したい」と述べた。

 同校は校則で、髪の染色や脱色を禁じている。女性は2015年春に入学後、髪を黒く染めるよう再三指導され、「黒染めしないなら学校に来る必要がない」などと言われて不登校に追い込まれたと主張。不登校になった後も、教室に自分の席がなくなったり、名簿から氏名を削除されたりしたとして、「生徒指導の名を借りたいじめだ」と訴えていた。

 一方、府側は、教諭が指導した際、女性の髪の根元が黒かったことを確認しており、地毛は黒だと主張。校則に反して茶色に染めていたため指導しただけで、違法性はないと反論していた。

 頭髪指導を巡る訴訟は過去にも起きている。熊本県内の公立中で男子生徒を丸刈りとする校則の違法性が争われた訴訟で、熊本地裁(1985年)が「著しく不合理ではない」とした判決が確定。奈良県生駒市立中の女子生徒が黒染めは体罰だとして市に賠償を求めた訴訟では、大阪地裁(11年)が「教育的指導の範囲内」として請求を棄却、最高裁で生徒側敗訴が確定した。【伊藤遥】

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