スパコン富岳の裏側で繰り広げられる「熱との闘い」

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報道陣に公開された理化学研究所計算科学研究センターのスーパーコンピューター「富岳」=神戸市中央区で2020年6月16日、望月亮一撮影
報道陣に公開された理化学研究所計算科学研究センターのスーパーコンピューター「富岳」=神戸市中央区で2020年6月16日、望月亮一撮影

 理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」は、電力消費に伴って生じる巨大な熱に対応するため、独自の冷却システムが備えられている。計算速度で世界一に輝き、最先端の成果が期待されるスパコンの裏側で繰り広げられる「熱との闘い」に迫った。

 富岳の建屋は神戸市中央区の人工島・ポートアイランドにあり、屋上の冷却塔からは排熱によって発生した白い水蒸気が出ている。まるで発電所のように上空へもくもくと舞い上がる大量の水蒸気は、発生する熱の大きさを物語っている。理研によると、近くのホテルの宿泊客らが火災と勘違いして消防や警察に通報する事態が、昨春以降だけで数回あったという。

 その理由について、冷却システムを担当する理研計算科学研究センターの塚本俊之・副部門長はこう説明する。「富岳の発熱密度(単位面積当たりの発熱量)は原発の原子炉クラス。さらに、計算の内容によって消費電力が大きく上下するのに合わせて発熱量も変動する。これほど巨大な熱変動への対応が求められるのはスパコンしかない」

 では、変動する巨大な熱にどう立ち向かっているのだろうか。

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