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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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原発の運転期間「40年ルール」緩和の動き 専門家は骨抜き懸念

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長期停止中の中部電力浜岡原発の(左奥から)3号機、4号機、5号機=静岡県御前崎市で2019年5月12日午後2時23分、本社ヘリから
長期停止中の中部電力浜岡原発の(左奥から)3号機、4号機、5号機=静岡県御前崎市で2019年5月12日午後2時23分、本社ヘリから

 原発の運転期間を原則40年とする「40年ルール」。2011年の東京電力福島第1原発事故をきっかけに、老朽化した原発を運転させないために導入された。しかし、ここに来て制度の緩和を働きかける動きが表立ってきた。40年ルールを巡る電力業界などの動向を追った。【荒木涼子】

原発事故受け、運転期間を制限

 原発事故前、国内の原発には運転期間の制限がなかった。運転を始めてから30年がたつと、原子力規制委員会の「前身」の原子力安全・保安院が10年ごとに、機器の劣化具合を点検したり追加の安全対策が必要か確認したりしたが、問題がなければ運転を続けられた。

 ところが、原発事故による反原発の世論の高まりを受け、当時の民主党政権は「脱原発」の象徴的な政策として、40年ルールを打ち出した。導入のために原子炉等規制法を改正したが、改正に反対の声もあったことから、例外も規定。運転開始から40年の時点で、将来の劣化に備えた対策が十分だと規制委が判断すれば、最大20年の運転延長が可能になった。

 例外規定はあるものの、世間では「40年ルールは原発の寿命」と捉えられるようになった。ただ、電力業界にとってこのルールは「目の上のたんこぶ」(電力社員)でしかないという。

 というのも、原発の新設や既存の敷地内での増設は地元の反発などから難しく、「今あるものをできるだけ長く運転したい」のが電力業界の本音だ。経済産業省の幹部は「安全審査に時間がかかり、震災で停止した原発がようやく再稼働しても、40年ルールのせいで数年で運転を止めるなんて経済的じゃない」と話す。

 40年ルー…

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