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小林 聡美・評『好きに食べたい』『コップひとつからはじめる自給自足の野菜づくり百科』
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美味しくて楽しくて躍動する そんな、大らかな食を満喫したい
◆『好きに食べたい』服部みれい・著(毎日新聞出版/税別1600円)
◆『コップひとつからはじめる自給自足の野菜づくり百科』はたあきひろ・著(内外出版社/税別1600円)
沖縄銘菓ちんすこうが、食べきれないまま賞味期限を迎えた。もともと賞味期限はまったく気にしないが、効率よく消費するには、と考え、昔、黒柳徹子さんが紹介していた、「ビスケットを牛乳に浸し、それに生クリームを挟んでどんどん積んで形を整え、冷蔵庫で寝かせる簡単ケーキ」というのを思い出し、それを、ちんすこうでやってみた。牛乳の代わりに豆乳で、生クリームにはメープルシロップをほんの少し垂らした。しっとりした中にもちんすこうのザラッとした食感が残り、切り口の断面もチェック模様の、洒落(しゃれ)た「ちんすこうケーキ」になった。これがまた驚きの美味(おい)しさ! しかも簡単! しかも世界初! そして楽しい。
『好きに食べたい』(服部みれい)は、文筆家、詩人、そして雑誌の編集長でもある著者が、2015年から拠点を東京から故郷の岐阜へ移し、そこでの暮らしと食を通して、これからの私たちと地球について考えるきっかけを投げかけるエッセーだ。
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