- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

難民の生活を疑似体験するオンラインゲームを開発し、米CNNが昨年、「世界に変化をもたらした10人」として取り上げた南スーダン出身の元難民で米首都ワシントン在住のルアル・マヤンさん(27)が、毎日新聞のウェブ取材に応じた。マヤンさんは、意思決定の機会が多いオンラインゲームは、受け身で鑑賞する映画やテレビとはまた違った魅力や可能性があると語った。
――マヤンさんが開発したオンラインゲーム「サラーム」(年内に発売予定)は、架空の紛争地から難民キャンプに逃れるまでの道のりなどを疑似体験するゲームです。このゲームの開発に取り組まれた動機は、ご自身の体験が基になっているのでしょうか。
◆体験が基になっています。第2次スーダン内戦(1983~2005年)中、両親は戦火から逃れようと、国境を越えて隣国ウガンダの難民キャンプに向かい、私はその道中で生まれました。キャンプにたどり着くまでに2人の姉を亡くし、私は結局、約22年をキャンプで過ごしました。
――キャンプでの生活はどのようなものだったのでしょうか。
◆キャンプでは、限られたスペースに多くの避難民が身を寄せ、十分な食料や医療物資もなく、質の高い教育を受ける機会もありませんでした。私を含め、子どもが育つ環境とは言い難く、友人とサッカーで遊ぶことが楽しみでした。
15歳のころ、難民登録をするキャンプ内の施設で初めてパソコンを見ました。「何だこれは?」と興味が湧き、母親に買ってほしいとねだりましたが、お金がなかったので、手の届く代物ではありませんでした。私自身もいつしか頼んだことを忘れていました…
この記事は有料記事です。
残り1355文字(全文2030文字)