寄稿

直木賞を受賞して 好奇心こそが拠り所 西條奈加(作家)

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=須藤唯哉撮影
=須藤唯哉撮影

 「人生は選択の連続である」とは、シェイクスピアの名言だが、デビュー直後、私もふたつの大きな選択を迫られた。

 まず、専業作家になるか、兼業作家とするか。当時は会社勤めをしていたため、作家に転職するか、正業の傍らの副業とするかの二者択一だ。

 「新人の方には、専業はおススメしません」と、当時の担当編集者にははっきりと言われた。仕事が来なければ、収入の道が絶える。リスクが伴うだけに、何年かようすを見た方がいいと助言された。

 実際、友人の中にも兼業作家はたくさんいる。会社員、公務員、翻訳家、作曲家、大学講師、プログラマーと職業も多種多様だ。小説は趣味程度にしたい、という話もよく耳にする。好きなものを仕事にすると、たしかに辛(つら)い部分もある。

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