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菅首相長男接待

総務省幹部が「東北新社」に勤める菅首相の長男から接待を受けていた問題。特別扱いの構図が浮かび上がりました。

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菅首相長男と総務省 特別扱いの疑い強まった

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 総務省幹部が菅義偉首相の長男から接待を受けていた問題で、同省幹部が長男を特別扱いしていた構図が浮かび上がってきた。

 長男は放送事業会社「東北新社」に勤める。長男ら同社幹部との会食は、昨年12月の3回を含め、過去5年で延べ12回に上っていた。手土産やタクシーチケットを受け取っていたこともあった。

 長男が役員を務める子会社は、総務省から放送事業者の認定を受けている。国家公務員倫理規程は「利害関係者」からの接待を禁じている。長男はこれに該当するだろう。倫理規程に違反した可能性が高い。

 同省幹部は国会で、他の放送事業者と同様の会食をしたことはないと語った。

 長男は、首相が総務相時代に秘書官を務めていた。首相は今も同省の人事を掌握し、強い影響力を持っている。同省幹部らは、首相の影を感じたからこそ長男の誘いに応じたとみるのが自然だろう。

 見過ごせないのは、昨年12月の会食時期だ。東北新社の別の子会社が手がける衛星放送の認定を、同省が更新する直前だった。

 また、長男が役員を務める子会社の「囲碁・将棋チャンネル」は約3年前にCS放送業務の認定を受けている。この時認定された12社16番組のうち、ハイビジョンでない放送はほかになかった。

 審査基準はハイビジョン化を進めるために改正されたばかりだった。しかし、ハイビジョンであるにもかかわらず認められなかった番組もあった。

 審査基準の改正や認定の過程で子会社への有利な取り計らいはなかったのだろうか。

 武田良太総務相は調査を終え次第、処分を行うという。

 だが、ことは倫理規程違反にとどまらない。首相や周辺への忖度(そんたく)で、行政の公正さや公平さが損なわれたのではないかという疑念が出ていることが問題の核心だ。安倍晋三前政権時に起きた森友・加計問題と似通った構造だ。

 首相は「長男は別人格」と無関係を強調するが、政治への信頼に関わる問題だけに疑惑を放置することは許されない。長男ら関係者の国会招致に応じるよう与党に指示すべきだ。全容を解明する責任が首相にはある。

【菅首相長男接待】

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