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後絶たぬコロナ差別 「許さない」発信粘り強く

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 新型コロナウイルスの感染者や家族、医療従事者に対する差別が後を絶たない。

 佐賀県や静岡県では、クラスター(感染者集団)が発生した学校がインターネット上で非難され、生徒や保護者が中傷された。

 日本弁護士連合会には、療養が終わった後の職場復帰を認められないとの相談も寄せられている。

 昨年10~12月に日本医師会が実施した調査では、医療従事者らに対する差別や嫌がらせが698件あった。看護師が被害を受けるケースが目立った。

 差別は許されないことを改めて確認したい。国内の感染者は40万人を超え、対策を講じていても、誰もが感染する可能性がある。

 中傷を恐れ、感染の事実を隠すことにもつながりかねない。医療従事者が疲弊すれば、医療体制がさらに逼迫(ひっぱく)する懸念がある。

 日本でもワクチンの接種が始まった。効果は期待されるが、さまざまな事情で受けられない人もいる。そうした人たちが差別されることがあってはならない。

 各地の自治体では、コロナに関する差別を禁止する条例の制定が相次いでいる。これまでに20以上の自治体が、こうした条例を定めており、和歌山県は中傷をやめるように勧告する規定を設けた。

 ネット上をパトロールして、差別的な書き込みを見つけたら、運営業者に削除を求めている県もある。さらに取り組みを広げていくべきだ。

 感染症法やコロナ対策の特別措置法の改正で、入院を拒んだ人や営業時間短縮に応じなかった店への罰則が設けられた。

 適用されれば犯罪者扱いされかねず、深刻な差別を招く恐れがある。慎重な運用が不可欠だ。

 改正特措法でようやく、差別の防止が国や自治体の責務とされ、実態の把握や啓発活動に取り組むことが盛り込まれた。

 ただし、差別を禁止するという文言は入らなかった。差別は許さないとの強いメッセージにするため、法律に明記すべきだったのではないか。

 菅義偉首相ら政治家の発言は、感染防止に力点が置かれている。差別をなくすには、リーダー自らが感染者に配慮した発信を粘り強く続けることが欠かせない。

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