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五輪組織委会長に橋本氏 国民が納得できる運営を

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 女性蔑視発言で辞任した東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の後任に、五輪担当相を務めていた橋本聖子氏が就任した。

 スピードスケートと自転車で日本女子最多となる7回の五輪出場経験を持つ。女性の元五輪選手を起用することで組織委のイメージを刷新したいとの判断が働いた。

 政権内部とのつながりを維持できる点も考慮されたという。

 橋本氏は森氏の出身派閥に所属しており、本人たちが「父」「娘」と表現するほどの間柄だ。森氏の影響力が残る可能性がある。

 しかし、組織委会長には政治的中立性が求められる。五輪担当相を辞任した橋本氏は、政権の意向をうかがうのではなく、国民が五輪に対して何を望んでいるのか、耳を傾けていくべきだ。

 選考過程は透明性を欠いた。候補者検討委員会のメンバーで、発表されたのは座長の御手洗冨士夫名誉会長だけだ。議論の内容も明らかにされないまま、候補を橋本氏に一本化する流れができた。

 辞任する森氏が一時、川淵三郎氏に次期会長を打診し、「密室人事」と批判されて人選が白紙に戻った経緯もある。

 橋本氏個人の問題もある。日本スケート連盟会長だった2014年にフィギュアスケートの男子選手にキスを強要したと週刊誌で報じられた。

 セクシュアルハラスメントの疑いが指摘されている。女性蔑視の問題で前会長が辞任した後だけに、より丁寧な説明が必要だ。

 五輪開幕まで5カ月あまりとなった。大会の開催可否や、海外客の受け入れを含む観客制限の判断など難しい課題が山積している。

 開催費用をめぐって政府や東京都、国際オリンピック委員会との交渉も改めて必要になりそうだ。選手らに新型コロナウイルスのワクチン接種を求めるべきだとの声も出ている。

 来月下旬から聖火リレーが始まる予定だ。感染収束のめどが立たない中、島根県知事が県内のリレー中止を検討すると表明した。

 大会を通じて、感染が再拡大してしまうのではないかとの不安も残っている。橋本氏には科学の知見を踏まえ、国民が納得できる判断をする責任がある。

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