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東日本大震災から間もなく10年になる。2011年の発災当初、官房長官として連日の記者会見に臨んだ枝野幸男・立憲民主党代表(56)。大混乱に陥った中、どんな気持ちで会見に臨んでいたのか。事態が悪化し続ける東京電力福島第1原発事故にどう向き合ったのか。新型コロナウイルスという危機に直面する今と重ね合わせ、2回にわたってインタビューを紹介する。【聞き手・永山悦子/オピニオングループ】
――東日本大震災は「想定外」とも言われ、政府の対応も含め日本中が大混乱に陥りました。あの混乱は避けられなかったのでしょうか。
◆緊急事態では、事態が起きてからできることは限られている。事前の備えで対応の9割方が決まる。「いかに事前に備えをしておくか」ということが、唯一と言ってよいくらい最も重要な教訓だ。
官房長官に就任したとき、まず官邸地下の危機管理センターを確認した。すると、複合災害の発生自体は想定されていた。二つのイベントが同時に起きた場合も、それぞれに対応できる作りになっていた。ところが、それはハード面にとどまり、巨大津波災害、東京電力福島第1原発事故という大きな災害が同時発生と、想定は十分でなかったと言わざるを得ない。特に、原発事故が起きたときの避難についての想定が十分ではなかった。原発事故で避難する地域は半径10キロまでしか想定されていなかったし、多数の人が同じ場所から同時に逃げれば、当然詰まってしまって動けなくなるのに、そういうときの対応はまったく考えられていなかった。
――福島県内の避難では、途中で亡くなる人も出ました。
◆至らない点もあったと思うし、被災者の皆さんにとって十分な対応ができなかったことは忸怩(じくじ)たる思いだが、想定のない中で当時の官邸ができる対応としてはベストに近いものができたと思う。
――「ベスト」とは、どういう意味ですか。
◆住民の大量被ばくを避け、…
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