ロシアからの天然ガスパイプライン 建設停止圧力に苦悩のドイツ

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バルト海にノルド・ストリーム2のパイプを敷設する船=2019年9月13日、ロイター
バルト海にノルド・ストリーム2のパイプを敷設する船=2019年9月13日、ロイター

 ロシアからバルト海を通り、ドイツに天然ガスを運ぶ海底パイプライン事業「ノルド・ストリーム2(NS2)」を巡り、ドイツが苦しい立場に立たされている。ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の逮捕を受け、欧米でロシアに厳しい姿勢で臨むべきだとの意見が強まっているからだ。パイプライン事業中止を求める圧力が高まる一方、ドイツにはパイプラインが欠かせない事情がある。

 ナワリヌイ氏は2020年8月、ロシア国内で毒殺未遂に遭い、ドイツの首都ベルリンの病院に搬送された。今年1月にロシアに帰国した直後に逮捕され、2月には過去の有罪判決の執行猶予が取り消され、実刑への切り替えが決まった。

 これに対し、欧米諸国は一斉に反発。ロシアを追い込む手段として、欧州で浮上したのがNS2の事業中止案だ。ロシアにとって欧州向けの天然ガス輸出は、旧ソ連時代からの主要な外貨獲得源で、中止によるダメージは大きい。ロシアの欧州向けガスは、これまで8割がウクライナ経由で輸出されてきたが、ガス料金を巡るトラブルなどで06年以降、ロシアはウクライナへの供給をたびたび停止。それに伴い、ドイツなど欧州市場への供給も滞ってきた。欧州市場のロシア離れを防ぐため、ロシアがウクライナを迂回(うかい)する欧州向けの新ルートとして計画した3本のうちの1本がNS2だ。

 欧州連合(EU)欧州議会…

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