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由来不明のコロナ変異株 昨年12月に国内で確認 専門家、警戒

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国立感染症研究所戸山庁舎=東京都新宿区で、本橋和夫撮影 拡大
国立感染症研究所戸山庁舎=東京都新宿区で、本橋和夫撮影

 感染力の増加や免疫の効果が弱まる可能性がある新型コロナウイルスの変異株について、感染症の専門家たちが警戒感を強めている。国立感染症研究所は19日、英国由来の変異株とは異なり、どの国に由来するか不明の別の変異株が昨年の12月上旬には既に国内で確認されていたことを発表した。政府はゲノム(全遺伝情報)解析を民間検査機関に委託するなど監視体制を強化するが、専門家は「変異株の流行は避けられないだろう」と指摘している。

 田村憲久厚生労働相は19日の記者会見で「国内でもスクリーニングエリア(検査を行う地域)が増えてきて実態が徐々に分かりつつある」と強調した。埼玉や静岡、新潟など約60カ所の地方衛生研究所で英国や南アフリカ由来の変異株を簡便に検出できるPCR検査を活用しており、陽性となった検体の5~10%について変異株のふるい分け検査を実施。変異株の可能性が高い検体を優先的に感染研に送り、ゲノム解析ができるようになった。

 政府は民間検査機関へのゲノム解析の委託も進めている。感染研では1週間で約550検体の解析が可能だった。当面は民間検査機関で1週間あたり100~200検体を解析する予定で、スピードアップを図る。

 変異株への感染者数は19日時点で173件で、空港検疫を除くと130件に上る。内訳は、英国由来が124人▽南アフリカが4人▽ブラジルが2人――となっている。

 一方、免疫の効果が弱まる可能性のある変異株が、政府が監視体制を強化する前に国内に流入していたことが判明した。感染研は英国など三つの変異株とは異なる変異株が12月上旬に採取された検体で見つかっていたことを公表。英国由来の変異株のように感染力が高まるとされる変異はないが、免疫効果が弱まる可能性のある変異を獲得しているという。

 新型コロナの変異は約2週間に1回の割合で起こるとされる。感染研の報告によると、今回見つかった変異株は、国内に昨年春に流入したウイルスから遺伝子を構成する塩基配列が13個置き換わっているという。変異の過程を埋めるウイルスは国内では見つかっておらず、13個の塩基配列が置き換わった変異ウイルスは海外から流入したとみられるが、由来国は不明だ。2月2日までに関東全域で91件、空港検疫で2件確認されている。

 厚生労働省に感染対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」に参加する専門家は「感染力が増えるとされる変異株は子どもへの感染力の強さなども指摘されている。この変異株の流行は避けられないし、今後国内の流行株が変異株に置き換わる可能性もある」と指摘。「新たに見つかった免疫効果を弱める可能性がある変異株についても十分注視しないといけない」と警戒感を強めた

 感染研は「国内の感染伝播を抑える努力とともに、変異株の国内流入か国内での出現の早期探知が重要となる」としている。【林奈緒美、金秀蓮】

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