特集

東京オリンピック

東京オリンピックに関する特集ページです。

特集一覧

五輪記者内幕リポート

「ポスト森会長」を巡る秩序なき情報戦と昭和政治

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
面会を終え、並んで退室する小池百合子東京都知事(右)と橋本聖子東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長=都庁で2021年2月19日午後4時54分、大西岳彦撮影
面会を終え、並んで退室する小池百合子東京都知事(右)と橋本聖子東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長=都庁で2021年2月19日午後4時54分、大西岳彦撮影

 何が本当で、何がウソなのか――。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言に端を発した後任会長人事は、秩序なき情報戦だった。菅義偉首相、東京都の小池百合子知事らトップの威光をかさに自分好みの人事にしようと、玉石混交にあまたの候補者の名前が飛び交った。

 「菅首相と関係が近い人が意向を語って、暗躍している」。後任人事の報道が過熱していた16日、政府関係者は情報が錯綜(さくそう)している状況をそう解説した。唐突にも見えたプロ野球DeNAの南場智子オーナーの名前もその流れの中で浮上した。新会長の候補者を検討する委員の氏名すら非公開で情報が制限される中、少しでも周辺から情報を得ようとする記者の心理も逆手にとられているようだった。

 官公庁街の霞が関や政治の中心の永田町はさまざまな思惑が渦巻く世界だ。自分の描く流れを作ろうと、表や裏で発言する。ある者は権力者との面会を重ねて親密さを演出し、ある者は実力者の発言に乗っかってアピールする。私が2014年秋から2年間政治部にいた時は、そうした発言の数々を役職や立場に応じて差し引きし、現在地を判断するものと学んだ。組織委スポーツディレクターの小谷実可子氏を推す声も、そうした流れの中でもたらされた。

 森氏の女性蔑視発言の根っこも、…

この記事は有料記事です。

残り755文字(全文1306文字)

【東京オリンピック】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集