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見つめ続ける・大震災 壊れた自宅今春撤去 宮城県名取市・北釜地区

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 更地が広がり、時折仙台空港に着陸する航空機のごう音が響く宮城県名取市の北釜地区。「思い返すと嘆きが先に出てきちゃう、なんでこんな試練を与えられたのかなと思って」。ぽつんと残る被災したかつての自宅前で、鈴木英二さん(79)はつぶやいた。空港そばで駐車場を経営する鈴木さんは、東日本大震災で被災。幸い家族は無事だったが、津波で自宅は大きく壊れ駐車場も営業できなくなった。地区に残った建物が数カ月で次々と姿を消す中、震災を一目で分かる形で伝えていきたいという思いから自宅を震災遺構として保存してきたが、今春の建物撤去を決めた。

 大津波で人口約400人のうち、8人に1人が命を落とした北釜地区。全体が災害危険区域に指定され、住民は集団移転した。震災後、鈴木さんの旧宅には多くの人が訪れ、機会があれば家の前で当時の状況を説明した。震災5カ月後にはバイデン米大統領(当時は副大統領)も家の前で献花している。長らく土地活用が白紙だったこの地域でもやっと復興計画が進みだし、市は「臨空拠点」として新たな産業を誘致する計画だ。鈴木さんは「…

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