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宮本亞門さん「肩書と名前いらないな」 北斎描く舞台に思う生き様

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「画狂人 北斎」を演出する宮本亞門さん=大阪市北区で2021年2月12日午後5時17分、関雄輔撮影
「画狂人 北斎」を演出する宮本亞門さん=大阪市北区で2021年2月12日午後5時17分、関雄輔撮影

 「最近しみじみと『演出家、宮本亞門』って肩書と名前、いらないなって思うんです」

 ミュージカルからオペラ、歌舞伎まで、ジャンルを超えて国内外で活躍する演出家、宮本亞門さん。江戸時代の絵師、葛飾北斎の生涯を描き、2017年から上演を重ねている舞台「画狂人 北斎」、そして新型コロナウイルス禍をきっかけに、肩書や過去の自分にとらわれない活動を強く意識するようになったという。

 「名前って重いな、と感じるんです。北斎は生涯で雅号を30回変え、93回引っ越した。絵の描き方もスタイルも、何一つ前と同じレールの上を進むことを良しとしなかった。過去を自ら投げ捨てていく彼の姿に向き合い、演劇だから、演出家だから、宮本亞門だから、と考えていては駄目だと思うようになりました」

がん手術機に「生」を強く意識

 その「画狂人 北斎」が3月4日に再び幕を開ける。16年に開館した東京・すみだ北斎美術館と、以前から北斎の絵と生涯にひかれていたという宮本さんのコラボレーション企画として、17年1月に朗読劇として初演。英国・大英博物館などでの公演を経て、19年にストレートプレー(せりふ劇)版が制作された。今回はその再演で、4月にかけて東京、大阪などで上演される。脚本は宮本さんのコンセプトに基づき、池谷雅夫さんが執筆。北斎と娘・お栄の関係を軸に、絵に生涯を賭した「画狂人」の姿を描く。

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