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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が…

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 アニメ映画「劇場版『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』無限列車編」が記録的な大ヒットになり、映倫のPG12という区分が注目されている。12歳未満の子どもが見る場合に「親や保護者の助言・指導が必要」という意味で、「鬼滅の刃」はこの指定を受けた。PGはParental Guidanceの略だ▲ある年齢層以上には、映画倫理機構、すなわち映倫はなじみが深いが、最近は存在そのものを知らない人も多いという。人食い鬼との戦いで残酷なシーンもある映画を、子どもが見たがった時にどう対応すればよいのか、悩む親も多いようだ▲映画関係者は、PG12の周知で別の効果も期待する。映画の年齢制限には、このほか「G」「R15+」「R18+」の区分がある。製作サイドは、興行収入への影響などから「年齢にかかわらず誰でも観覧できる」G志向が強いという▲だが、今回のヒットをきっかけに「年齢制限をプラスにとらえてもらえるのでは」との声が出ている。「万引き家族」「パラサイト 半地下の家族」もPG12指定だった▲映倫の歴史を振り返ると、さまざまな事件に見舞われてきた。1950年代には、いわゆる「太陽族映画」が反倫理的だと非難され、旧映倫の審査も甘いと批判されて大騒動になった▲映画は時代を映し出し、審査基準も時代とともに変わる。かつての審査は性的描写に重きが置かれたが、近年は暴力や麻薬を厳しく見る傾向が強いという。鬼滅は5年後、10年後にどのように見られることになるだろうか。

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