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梅津時比古・特別編集委員の「コンサート」にまつわるエッセー。

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コロナ禍に響くファウストのリサイタル 不器用な春=梅津時比古

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=林喜代種撮影
=林喜代種撮影

 心に掛かっているひとつひとつを少しの違和もなく嘘(うそ)もなく話そうとすると、どうしても、つっかえたり、引っかかったりする。そのせいか、すらすらと話す人に感嘆することが多々あるが、不器用に話している人にも強く共感する。

 音楽は長い間、修辞学にたとえられてきたように、音の言葉から成っている。だから、作品も演奏も器用、不器用がある。

 1月26日、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出されたただ中の東京・銀座の王子ホールで、イザベル・ファウスト(バイオリン)とアレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)のデュオリサイタルが開かれた。感染対策のため来日して2週間の隔離を経た上で臨んだ彼らのプログラムは、シューマンのバイオリンソナタ第1番イ短調と第2番ニ短調、ブラームスの《バイオリンソナタ 変ホ長調〓120-2》をメインとする。

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