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菅首相長男接待

総務省幹部が「東北新社」に勤める菅首相の長男から接待を受けていた問題。特別扱いの構図が浮かび上がりました。

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「忖度政治」の行き着く先 首相長男接待の何が問題なのか

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長男の総務省幹部接待報道などについて、記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2021年2月3日午後7時24分、竹内幹撮影
長男の総務省幹部接待報道などについて、記者団の質問に答える菅義偉首相=首相官邸で2021年2月3日午後7時24分、竹内幹撮影

 首相に近い人間ばかりが優遇される。安倍政権時代、「桜を見る会」や「モリカケ(森友、加計学園)」の問題でさんざん見てきた構図が、再現された。しかも今度は首相自身の長男だ。総務省の最高クラスの幹部たちが、菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」の接待に繰り返し応じていた。現役の総務省幹部が、許認可権限を握る事業者からの接待に無防備に応じたのはなぜか。業者への便宜供与はなかったのか。「長男とは別人格」と国会で気色ばむ菅首相に、妻は私人だと言い張った前首相の姿がダブる。【大野友嘉子/統合デジタル取材センター】

首相長男と総務官僚を巡る疑惑報道

 核心に入る前に、今回の問題をおさらいしておこう。疑惑をスクープしたのは週刊文春(電子版)だった。同誌は2月3日、「東北新社」の部長で子会社の役員も兼務する首相の長男・正剛氏が昨年10~12月、総務省幹部を接待していたと報じた。さらに17日には、会食時の会話とみられる音声をウェブ上で公開。首相の長男と総務省高級官僚という取り合わせに、政界に激震が走った。

 長男の接待を受けたのは、谷脇康彦総務審議官と吉田真人総務審議官という総務省事務方ナンバー2の2人のほか、放送行政を担当する秋本芳徳情報流通行政局長、湯本博信官房審議官という幹部4人である。接待した菅正剛氏は首相が総務相だった2006~07年に大臣政務秘書官を務めており、吉田氏や湯本氏とは当時から面識があったことがわかっている。総務省は12日の衆院予算委員会で、4人が長男側と会食した回数について、16年から延べ12回に及ぶと明らかにした。さらにタクシーチケットや手土産を受け取っていたことも判明した。それぞれの金額については現在、総務省が調査中だ。

 この接待の最大の問題は、長男が役員を兼務する東北新社の子会社「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、総務省から放送事業者の認定を受けている点だ。接待を受けた4人は、いずれも旧郵政省出身で放送行政に深く関わっており、東北新社子会社とはまさに監督する側とされる側の関係にある。国家公務員倫理規程は「利害関係者」からの接待を禁じており、倫理規程に違反する可能性が濃厚だ。また、東北新社の別の子会社である衛星放送「スターチャンネル」が、20年12月15日に総務省から業務認定の更新を受けており、野党はこの更新と会食の関連を追及している。

首相「完全に別人格」、官僚は事実上更迭

 では疑惑について、菅首相はどのように説明しているのだろう。文春の報道が出た3日夜、首相は官邸で記者団に「私自身全く承知していない。総務省で適切に対応すると思う」と述べ、無関係であることを強調した。4日の衆院予算委員会では、「今は(長男は)40ぐらいですよ、もう」「(長男と)私、完全に別人格ですからね」と色をなして反論し…

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