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希少は多い=永山悦子

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日本希少がん患者会ネットワークは2月を「希少がん啓発月間」として、ホームページなどで積極的な情報発信をしている=同ネットワークのホームページより
日本希少がん患者会ネットワークは2月を「希少がん啓発月間」として、ホームページなどで積極的な情報発信をしている=同ネットワークのホームページより

 米国の医学界の格言に「ひづめの音が聞こえたら、シマウマではなく馬を探せ」がある。一般に「患者が来たら、珍しい病気ではなく確率の高い病気を思い浮かべよう」という意味とされる。しかし、「シマウマを思い浮かべて」と訴える患者もいる。

 日本で、がんと診断される人は毎年約100万人。だれがなってもおかしくない病気だ。ただし、その種類はさまざま。患者数が多いがんには胃、肺、大腸、乳房、前立腺などのがんがあり、最近の5年生存率は6割を超える。

 それに対して、「人口10万人当たり6例未満」と患者が少ないがんは「希少がん」と呼ばれる。ただし、その種類は非常に多い。患者の多い通常のがんは約20種類だが、希少がんに分類されるがんは200種類近い。さらに、希少がんすべての患者数を合わせると、がん患者全体の約5分の1を占める。肺がんや乳がんに匹敵する数だ。希少がんは珍しいがんではなく、実は「多い」がんなのだ。

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