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犬が西向きゃ

国際報道に優れたジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した、高尾具成編集委員のコラム。

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犬が西向きゃ

人々の声に耳を傾け=高尾具成

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 2月初めのミャンマー国軍によるクーデター以降、市民の抗議デモが内外で続いている。国軍側はインターネットを遮断し、抗議の輪の封じ込めをはかったが、邪気を払う金物の音や口コミの力は人々の思いを乗せているから強い。

 約10年前の「アラブの春」を思い起こす。民主化を求める市民がソーシャルメディアを駆使し、政権の不当性を訴えたうねりが北アフリカの独裁体制を崩壊させていった。だが、権力を情報戦で追い詰めた根っこはやはり人々の力だ。

 その一つリビアでは、2011年2月半ばに拘束された人権活動家の解放を求めるデモを機に、42年にわたって独裁体制を敷いた最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐(11年10月、負傷の末、死去したとみられる。69歳)率いる政権側と民主化を求める反カダフィ派が衝突し、内戦化した。同年3月、反カダフィ派の拠点で取材中、インターネットはおろか、携帯電話の音声通話も含め、通信手段を遮断される数日間を経験した。

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