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電力市場の取引価格はこの冬、異常な高騰が続いた。そのあおりで、太陽光や風力など再生可能エネルギーを扱う新規参入業者(新電力)の多くが経営難に陥った。脱炭素社会の柱と期待される再エネの拡大に暗雲が垂れこめる。
●「売り切れ」3週間
新電力は現在約700社あり、自前の発電設備を持たない会社も多い。そうした会社は「日本卸電力取引所」(JEPX)を通じて電気を調達し、顧客に販売している。再エネを手掛ける新電力の多くも、自前でまかなえない分をここで買っている。市場には電力会社の余った電気が売りに出され、入札で価格が決まる。
この取引所で昨年12月、異変が起こった。24時間分の電気を前日に取引する「スポット市場」の価格が同月下旬から上昇したのだ。1月6日に1キロワット時100円をつけ、同15日には過去最高値の同251円まで跳ね上がった。
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