香港政府の要職、「愛国者」だけが立候補可能に 中国主導に変更

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香港の立法会庁舎(手前の円筒形のビル)と政府庁舎(その奥のコの字型の建物)=香港・金鐘で2019年9月3日、福岡静哉撮影 拡大
香港の立法会庁舎(手前の円筒形のビル)と政府庁舎(その奥のコの字型の建物)=香港・金鐘で2019年9月3日、福岡静哉撮影

 中国政府で香港政策を所管する香港マカオ事務弁公室の夏宝竜主任は22日、香港の公務員や議員は「愛国者」でなければならないと指摘し、香港政府トップの行政長官や立法会(議会)議員の選挙制度を中国政府主導で変更すると表明した。中国政府の方針に従う人物しか公職や議員職に就けず、香港は完全に中国の統制下に置かれることになりそうだ。民主派は強く反発している。

 中国の習近平国家主席は1月、「愛国者による香港統治の堅持」を指示しており、選挙制度の変更方針はこれを受けた措置。夏氏は北京での演説で愛国者の定義について「中央の権力に挑戦しないこと」などを挙げたが、新制度の詳細には触れなかった。香港メディアによると、候補者の審査機関設置などが検討されているという。3月に北京で開かれる全国人民代表大会(全人代=国会)で関連法案が協議される可能性がある。

 行政長官や立法会議員を選ぶ現行の選挙制度は親中派に有利な仕組み。行政長官は一貫して親中派だが、立法会では民主派が一定の議席を維持してきた。また大半が「1人1票」の普通選挙で選ばれる区議会は民主派が多数を占める。だが香港政府が2020年、当局の方針に反対する立法会議員を失職させたことなどから、立法会は親中派による事実上の「翼賛議会」と化した。中国政府は選挙制度の抜本的な変更によって、立法会や区議会から民主派を完全に排除することを狙う。

 香港の憲法に当たる香港基本法は「最終的な目標」として、行政長官選と立法会選に普通選挙を導入すると記した条項がある。その実現は民主派にとって悲願だった。だが候補者を「愛国者」に絞り込む制度が導入されれば、普通選挙条項は骨抜きとなる。

 香港では今年9月に立法会議員選、22年に行政長官選が予定されている。【台北・福岡静哉】

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