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富岡製糸場の入場者6割減 1億円超の赤字見込み 20年度

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新型コロナウイルスの感染拡大で2020年3月29日から5月末まで休館した富岡製糸場=群馬県富岡市で2020年3月29日、鈴木敦子撮影 拡大
新型コロナウイルスの感染拡大で2020年3月29日から5月末まで休館した富岡製糸場=群馬県富岡市で2020年3月29日、鈴木敦子撮影

 世界遺産「富岡製糸場」(群馬県富岡市)の2020年度の入場者数が、前年度比約63%減の16万人台にとどまる見通しになった。新型コロナウイルスの感染拡大で4、5月に休館したほか、年明けから首都圏などで緊急事態宣言が再発令され、観光客が大幅に減った。富岡市によると、入場料収入の減少により、約1億3000万円の赤字が発生する見込み。【鈴木敦子】

 富岡製糸場は市内で最初に新型コロナの感染者が確認された昨年3月29日から臨時休館。県の方針で5月末まで休むことになり、かき入れ時の大型連休を直撃した。4月から予定されていた県やJRなどの大型観光キャンペーン「群馬ディスティネーションキャンペーン(DC)」の目玉施設の一つだったが、DC自体が事実上の中止に。20年度は19年度を約1割上回る50万人の入場者を想定していたが、出はなをくじかれた。

 6月の再開後、秋の行楽シーズンの10月には19年度の約8割にあたる3万4131人、11月も3万7270人が訪れ、持ち直したかに見えた。しかし、再び感染者が急増し始めた12月から低迷が続き、20年度の入場者数は2月17日時点で計約15万9000人。3月末までに16万5000人を見込んでおり、年間想定を大きく下回る。

 一方、入場者数は世界遺産に登録された14年度の133万人台をピークに15年度は114万人台▽16年度は80万人台▽17年度は63万人台▽18年度は51万人台▽19年度は44万人台――と右肩下がりが続いており、減少ぶりは「コロナ前」から課題になっていた。20年度は県立世界遺産センター(富岡市、略称セカイト)のオープンや、西置繭所(にしおきまゆじょ)の保存整備工事の完了でV字回復を期待していただけに、地元の落胆は大きい。

 経済への影響も深刻で、製糸場周辺の飲食店や土産物店などでは平日の閉店が目立つ。

 富岡商工会議所の松岡ゆかり事務局長によると、世界遺産登録を機に進出した店は観光客減少に応じて撤退する傾向があるという。松岡事務局長は「残っている店は大変な中でなんとか耐え忍んでいる状態。県と市には、コロナ収束後に製糸場の入場者が増えるよう連携して取り組んでほしい」と話している。

◇尾瀬入山者も6割減

 群馬、新潟、福島、栃木の4県にまたがる尾瀬国立公園の2020年(5~10月)の入山者数が、前年同期比約6割減の約10万7000人となり、統計が残る1989年以降で最少だったことが環境省のまとめで分かった。同省は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請や、県をまたぐ移動の制限が影響したと分析する。

 同省によると、例年はミズバショウが見ごろとなる5、6月に入山者数が最も多くなるが、その時期に新型コロナによる外出自粛が重なったほか、開通を遅らせた入山口もあり、人出が落ち込んだ。最も入山者が多かったのは8月。感染拡大が小康状態となり、「密」を避けることができるアウトドア需要が高まったことが背景にあるとみられる。

 尾瀬の入山者数は、96年にピークの約65万人に達し、東日本大震災が発生した11年に初めて30万人を下回った。最近は減少傾向にあり、20年で5年連続の減少となった。【道岡美波】

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