麒麟は「きた?」 明暗分かれたドラマ関連施設の集客 京都

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
会期終盤に登場した、本能寺をあしらった展示=京都府亀岡市の「麒麟がくる 京都大河ドラマ館」で2021年2月11日午後4時50分、矢倉健次撮影 拡大
会期終盤に登場した、本能寺をあしらった展示=京都府亀岡市の「麒麟がくる 京都大河ドラマ館」で2021年2月11日午後4時50分、矢倉健次撮影

 京都ゆかりの戦国武将、明智光秀が主人公のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が放送を終え、京都府内各地に設けられたドラマ関連施設も閉館された。大河ドラマが盛り上がれば、ゆかりの地やドラマ関連施設には多くの観光客が訪れることも多い。ドラマ自体は7日の最終回の「本能寺の変」が高視聴率を記録するなど話題となったが、新型コロナウイルス禍もあり、目標からは程遠い結果となった施設も。麒麟は果たして、府内に「きた」のか――。

 府内には、光秀が丹波攻略の拠点とした亀山城(亀岡市)や光秀が築いた福知山城(福知山市)、主君の織田信長を討った本能寺(京都市)など、光秀ゆかりの地が多い。

 中でも、亀岡市は「サンガスタジアムbyKYOCERA」の敷地内に「麒麟がくる 京都大河ドラマ館」を放送に合わせ、2020年1月11日~21年2月14日に開設。福知山市も、福知山城公園内の佐藤太清記念美術館に「福知山光秀ミュージアム」を、20年1月11日~21年2月7日に開館した。両市とも機運を盛り上げ、観光客の来訪に期待を寄せていた。

「福知山光秀ミュージアム」で展示されていた資料=京都府福知山市岡ノの佐藤太清記念美術館で2020年1月9日午前11時7分、佐藤孝治撮影 拡大
「福知山光秀ミュージアム」で展示されていた資料=京都府福知山市岡ノの佐藤太清記念美術館で2020年1月9日午前11時7分、佐藤孝治撮影

 その結果、入場者数は両施設で「明暗」が分かれた。

 「明」は福知山光秀ミュージアム。入場者数は9万1400人と、当初見込んだ10万人に近い結果となった。コロナ禍で春の観光シーズンに82日間の臨時休館を余儀なくされたが、運営した福知山光秀プロジェクト推進協議会は「これだけ入館してもらえ、満足している。福知山の魅力を全国に発信できた」と評価する。ミュージアムの「遺産」として、パネルや映像などの展示品を福知山城天守閣に移設し今後、順次紹介していくという。

 一方、「暗」は亀岡の京都大河ドラマ館。入場者数は10万1260人と、目標の50万人を大きく下回った。コロナ禍で4~5月に約1カ月半、休館を余儀なくされたほか、バスによる団体の来客も皆無だったことが影響したとみられるという。

 亀岡は、地元で名君と慕われる光秀を顕彰する「光秀まつり」を1973年から毎年5月3日に開催し、ゆかりの地としてドラマ館を誘致。開館とほぼ同時にサンガスタジアムも開場したことから、観光の起爆剤として期待され、展示内容の入れ替えも複数回実施したが、思惑が外れた。

「『逆賊のまち』のイメージは払拭できたのでは」と評価した京都府亀岡市の桂川孝裕市長=市役所で2021年2月15日午後2時9分、矢倉健次撮影 拡大
「『逆賊のまち』のイメージは払拭できたのでは」と評価した京都府亀岡市の桂川孝裕市長=市役所で2021年2月15日午後2時9分、矢倉健次撮影

 市によると、設置費用約7500万円などを考慮すると収支は赤字だが、ドラマ館への支援を名目にクラウドファンディングで集まった約1億2000万円などで補塡(ほてん)できる見込みだ。同館の内容を継承する事業として、市文化資料館での展示などを企画しているという。

 ドラマの本編直後に放送され、ドラマの舞台などが紹介される「『麒麟がくる』紀行」でも、福知山市が終了直前の2回にわたって取り上げられた半面、亀岡市は全44回のうち、最後まで出てこなかった。紀行はドラマを見た人が観光に行く参考にするとされ、地元ゆかりの地が紹介されることに期待する関係者も多い。

 本編でも、亀山城が出てきたのは本能寺に攻め入る前のシーンなど、わずか。麒麟が亀岡に「きた」とは言いがたい状態に、亀岡市の桂川孝裕市長は15日の記者会見で「一連の取り組みとドラマの放映で『逆賊の町』という亀岡のイメージは払拭(ふっしょく)できたのでは」と前向きに評価した。【矢倉健次、佐藤孝治】

あわせて読みたい

注目の特集