福島第1の廃炉技術、他の原発でも活用できるのか
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東京電力福島第1原発の事故後、多くの原発の廃炉が決まった。福島第1では廃炉作業が進むが、その経験は他の原発でも活用できるのだろうか。福島第1の廃炉作業を支援する「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)」の山名元(はじむ)理事長に聞いた。
【聞き手・荒木涼子/科学環境部】
電力業界、廃炉見据えた計画に遅れ
――原発事故で、電力業界は廃炉作業に急に向き合わざるを得なくなった面があります。
◆その通りで、日本の原子力産業は、まさにそこで大失敗した。電力業界は、廃炉まで見据えた計画が遅れていた。原子力とは本来、廃炉作業まで確実にした上で使っていく技術だったので、反省すべき点だ。
福島第1では、廃炉作業との「戦い」が突如現れた。これまで不確実な状況と戦い、柔軟に対応しつつ戦略を立ててきた。ポイントは、廃棄物や(核燃料が溶け落ちた)燃料デブリの「基礎研究」、放射線量が高く人が近づけないことに伴う遠隔技術などの「工学開発」、廃炉作業のために開発した工法を現場に合わせる「システム開発」の三つだ。
――培った知見を、他の原発の廃炉にも役立ててほしいです。
◆願望はそうだ。実際は、福島第1での経験が他でもそのまま使える分野、参考になる分野、福島第1に特化しすぎていて他で活用するのに応用が必要な分野がある。
そのまま使える分野は、例えば廃炉作業のマネ…
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