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揺らぐ復興五輪 原発避難者の森松さんが抱いた「不信感」

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東京五輪・パラリンピック組織委の理事会と評議員会の合同懇談会で、会長の辞任を表明する森喜朗氏(中央)=東京都中央区で2020年2月12日午後3時(代表撮影)
東京五輪・パラリンピック組織委の理事会と評議員会の合同懇談会で、会長の辞任を表明する森喜朗氏(中央)=東京都中央区で2020年2月12日午後3時(代表撮影)

 もう忘れられているかもしれないが、東京五輪は東日本大震災からの「復興五輪」という位置づけだ。この旗印は今も掲げられているが、菅義偉首相は「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」と、新たな大義名分を追加した。だが、組織委員会会長だった森喜朗氏が女性蔑視の発言をするなど、五輪のコンセプトが根底から揺らいでいる。震災の被災者は何を思うのか。「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」共同代表の一人で、福島県郡山市から大阪市へ自主避難している森松明希子さん(47)に聞いた。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】

森氏の発言は日本の風潮を「見える化」

 ――混乱の発端は森氏の女性蔑視発言でした。原発事故の避難者として、どう感じましたか。

 ◆森氏の発言は、日本の女性蔑視の風潮を見える化したと思っています。発言の際、評議員の誰からも異論が出ず、笑い声さえあったといいます。残念ですが、これが日本の現状です。

 私は原発事故の避難者として声を上げる中で、こうした現状を痛感しました。私は原発事故後、当時3歳の長男と、0歳の長女とともに福島から大阪へ母子避難しました。講演会で「母子避難」という自分の避難のかたちを話しただけなのに、インターネット上で「女性であることや子どもを使って権利を主張している」と批判されたことがあります。

 記者会見や講演会で、活動を支援しているという男性から「もっと哀れみが出るようにやってほしい」「声高に権利を主張しなくていい」などと指図されたこともあります。「控え目で意見が言えない可哀そうな女性だから助けてやろう」という構図を押しつけられているかのようでした。女性が堂々と権利を主張してはいけないとでも言うのでしょうか。

 こうした経験もあり、…

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