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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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遺された子どもたち

「全部なくなった」父失い、育児放棄の母急死 20歳、何支えに

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“母”から贈られたネックレスをつけた胸元に手を置く香奈さん(仮名)=関谷俊介撮影
“母”から贈られたネックレスをつけた胸元に手を置く香奈さん(仮名)=関谷俊介撮影

東日本大震災から3月11日で10年を迎える。毎日新聞は400人を超える震災遺児と孤児、その保護者たちにアンケートを送り、遺児と孤児181人と保護者163人から回答をもらった。それぞれの「10年」の営みが見えてくる返事を寄せてくれた遺(のこ)された家族を記者が訪ねた。

 土曜日のランチタイム、新型コロナウイルス禍にあっても首都圏の郊外にある喫茶店は家族連れやカップルで混雑していた。タイミング良く個室が空いて良かった。そう一安心していると、携帯電話が振動した。「あと5分くらいで行けると思います」。二十歳になったばかりの香奈さん(仮名)からのショートメールだ。

 香奈さんは津波で父を失い、生まれ故郷の岩手県沿岸部を離れ、母と2人暮らしを始めた。だが、交友関係が広かった母は香奈さんを一人アパートに残し、帰らない日も多かった。その母も4年後に急死。香奈さんのアンケートの自由記述欄には、鉛筆で書かれた小さな文字がびっしりと並んでいた。「父にもし会えたら一発ぶん殴りたいです。母にも文句を言いたいです。今の自分ができないことの多さ、周りから見て劣っている自分、全部…

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