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「序列社会脱却は簡単ではない」 釜本邦茂氏が憂う五輪開催

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五輪を開催する意義について語る元サッカー日本代表の釜本邦茂さん=大阪市北区で2021年2月12日、菱田諭士撮影
五輪を開催する意義について語る元サッカー日本代表の釜本邦茂さん=大阪市北区で2021年2月12日、菱田諭士撮影

 もしかしたら、誰よりも東京オリンピックの行方に心を痛めているかもしれない人が大阪にいた。1964年の前回東京五輪にも出場し、68年のメキシコ五輪では銅メダルに輝いたサッカー界のレジェンド、釜本邦茂さん(76)である。五輪は開くべきか、それとも……? 釜本さんを訪ねた。【吉井理記/統合デジタル取材センター】

レジェンドもコロナに不安

 恥ずかしながら、記者はサッカーはもちろん、スポーツ全般が苦手だ。それでも釜本さんの名前は記憶に刻まれていた。何せメキシコ五輪ではメダルだけでなく、アジア人初の得点王に輝き、Jリーグ(93年発足)の前身・日本サッカーリーグでは歴代最多得点も記録した。サッカー界、いや五輪のスーパースターである。

 がらがらの新幹線で、その釜本さんが待つ大阪に向かったのは、大会組織委会長だった森喜朗氏が辞意を表明した日。そういえば釜本さん、森氏とは早稲田大の先輩後輩の間柄だ。95年参院選には森氏に請われて自民党から出馬して当選し、森氏が会長を務めた派閥(清和会)にも属したのだった。権力という魔物がすむ永田町と肌が合わず、バッジは1期で外したけれど。

 「権力の魔窟か。永田町だけじゃない。国際オリンピック委員会(IOC)にも魔物がすんでいるんじゃないか、なんてね。さて、東京五輪はどうなるか」

 大阪・天満の個人事務所で迎えてくれた釜本さん、180センチ近い長身はすっと伸び、顔は浅黒く、間もなく喜寿を迎えるとは思えない。華麗なストライカー人生を物語るように、ベッケンバウアー氏(元西ドイツ代表)らスターのサインが入る日の丸が掲げられていた。

 「僕はインフルエンザにすらかかったことがないんだよ。でもコロナはどうか。インフルとは違う。僕はもう立派な後期高齢者だからね。『いざコロナ』となれば、医者もこんな年寄り、見捨てるかも分からんね。家族にも心配されるんだけど……」

森発言「最大の問題は止めなかった組織委」

 そう。いまだ緊急事態下の日本である。5カ月後に迫った東京五輪、どうなるやらと思っていたところで持ち上がったのが、例の森氏の一件である。

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