五輪の理念「ジェンダー平等」 現実とのギャップは埋められるか
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「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長による女性蔑視発言は、なぜ人々の怒りに火を付けたのか。背景を探ると、女性たちの「生きづらさ」が見えてきた。東京大会が「ジェンダー平等」の理念を掲げているならば、現実との「ギャップ」を埋める必要がある。
「小さな怒り」積み重なった
森氏発言の受け止め方には、夫婦の間で温度差があった――。東京都に住むITエンジニアの「あこたん」さん(34)=ツイッターのアカウント名=は振り返る。発言に憤る自分に対し「そんなに過剰反応することなのかな」と言う夫。「その違いは、多くの女性が『小さな怒り』を積み重ねていることを知らなかったからだと思う」
例えば会議の席。自分から質問や提案をすると、男性たちが「くすくす」と笑う雰囲気を醸し出す。「がんばっちゃってるんだね」とでも言わんばかりに。協力会社に仕事を頼む時もそうだ。自分の声がけでは動いてくれないのに、男性上司には素直に従う。単に力不足なのかもしれない。ただ「自分が女性だから?」という疑問が頭をよぎる。
「ホモソーシャルな(男同士の絆が強い)組織に飛び込んでいく女性の多くは、そんな違和感や怒りを10回も20回も経験している」。あこたんさんは言う。
「ずっと自分の中のモヤモヤを言葉にできなかった」。都内に住む30代の笛美さん=同=も同じような思いを抱えていた。
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