演劇 劇団チョコレートケーキ「帰還不能点」  開戦の「なぜ」に切り込む=評・濱田元子

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 南京大虐殺の真相に迫った「無畏(むい)」に続き、座付きの古川健が日米開戦決定の本質に、ひねり技で切り込む。結果は分かっていたはずなのに、なぜ引き返せなかったのか、と。

 何と言っても実在した総力戦研究所を切り口にしたところが面白い。日米開戦前の1940年10月に開設された機関には官僚や軍人、民間の若手エリートが参加し、模擬内閣の演習などを通して日米戦争の展開を予測した。結論は「日本必敗」。だが日本は開戦に突き進んだ。

 そこを出発点に、古川がドラマの舞台に据えたのは、敗戦から5年たった一杯飲み屋。研究所にいた岡田(岡本篤)や久米(今里真)、城(粟野史浩)、泉野(西尾友樹)らが、戦後に病で亡くなった元同僚の山崎をしのんで酒を酌み交わす。

この記事は有料記事です。

残り471文字(全文791文字)

あわせて読みたい

注目の特集