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東日本大震災で被災した人々の悩みに耳を傾け続けてきた宮城県栗原市の僧侶、金田諦応(かねたたいおう)住職(64)が、著書「東日本大震災 3・11生と死のはざまで」(春秋社)を出版した。被災者が今も抱える苦しみや復興が進む被災地の変化をつづった。発生から10年を前に、宗教者の目に映る課題とは――。
金田さんは曹洞宗通大寺の住職。震災当時、内陸部の栗原にも次々と運ばれてくる遺体や、変わり果てた沿岸部の光景に「仏や神の姿を見失ってしまった」という。故人の追善法要を行う「四十九日」には、キリスト教の牧師らと祈りをささげながら歩く追悼行脚を実施した。
自分に何ができるか悩んでいた時、震災前から自殺相談の一環として行っていた「傾聴」を思い出した。相手の苦しみを否定せず、ただひたすら耳を傾ける。語ることで自身を客観視し、相談者が立ち直る第一歩を踏み出す姿を見てきた。こうして、各地の仮設住宅を回る傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」が誕生した。英語で僧侶を表す「モンク」に、「あなたの『文句』を聴きながら一緒に『悶苦(もんく)』する」という意味を込めた。
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