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女性大量当選のエジプトで83歳新人議員誕生 差別と闘った半生

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取材に応じるエジプトの国会議員、ファリーダ・ショウバーシーさん=カイロ近郊の自宅で2021年2月10日、真野森作撮影
取材に応じるエジプトの国会議員、ファリーダ・ショウバーシーさん=カイロ近郊の自宅で2021年2月10日、真野森作撮影

 先進国を中心としてジェンダー平等の実現を目指す動きが広がる中、中東のアラブ諸国ではイスラム教の保守的解釈や家父長的な伝統に基づく女性差別が根強く残っている。アラブ最大の人口1億人を抱える地域大国エジプトでも、女性の地位向上は進んでいないのが現状だ。

 こうした中、2020年秋のエジプト下院選で過去最多となる148人の女性議員が当選し、注目を集めている。大統領の指名枠で他にも女性議員が議席を得ており、全議員の4分の1以上を女性が占めることになったのだ。その一人で最年長の新人議員ファリーダ・ショウバーシーさん(83)は「女性を無視すれば、半分の力だけで社会を動かすことになる。生産性は減じ、革新的なものは生まれない」と強調する。ジャーナリストとして活動してきた自身の半生やエジプトの女性が置かれている厳しい状況について、インタビューで語ってもらった。【カイロ真野森作】

仏ラジオ局で活動

 まず、ショウバーシーさんの経歴について紹介したい。

 ショウバーシーさんはカイロ郊外ヘルワンに生まれ育った。ジャーナリストで左派政党のメンバーだった夫アリさん(故人)と20歳のときに結婚する。その後、自身もキリスト教からイスラム教に改宗した。アリさんは一度投獄されたことがあり、ショウバーシーさんはその間に法律学校へ通って法律家としての知識を身につけた。

 1970年に第2代大統領ナセルが死去すると、夫婦でフランスへの移住に踏み切った。続くサダト政権から、逮捕歴のあるアリさんが目を付けられたためだ。

 ショウバーシーさんは学生時代にフランス語で教育を受けていたため語学は堪能で、現地のラジオ局に働き口を得る。ラジオ局ではジャーナリストとして長く働いたが、エジプト人としての愛国心やイスラムへの信仰がもとになって職場でトラブルが起きたこともあったという。

 その一つは、…

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