女性大量当選のエジプトで83歳新人議員誕生 差別と闘った半生
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

先進国を中心としてジェンダー平等の実現を目指す動きが広がる中、中東のアラブ諸国ではイスラム教の保守的解釈や家父長的な伝統に基づく女性差別が根強く残っている。アラブ最大の人口1億人を抱える地域大国エジプトでも、女性の地位向上は進んでいないのが現状だ。
こうした中、2020年秋のエジプト下院選で過去最多となる148人の女性議員が当選し、注目を集めている。大統領の指名枠で他にも女性議員が議席を得ており、全議員の4分の1以上を女性が占めることになったのだ。その一人で最年長の新人議員ファリーダ・ショウバーシーさん(83)は「女性を無視すれば、半分の力だけで社会を動かすことになる。生産性は減じ、革新的なものは生まれない」と強調する。ジャーナリストとして活動してきた自身の半生やエジプトの女性が置かれている厳しい状況について、インタビューで語ってもらった。【カイロ真野森作】
仏ラジオ局で活動
まず、ショウバーシーさんの経歴について紹介したい。
ショウバーシーさんはカイロ郊外ヘルワンに生まれ育った。ジャーナリストで左派政党のメンバーだった夫アリさん(故人)と20歳のときに結婚する。その後、自身もキリスト教からイスラム教に改宗した。アリさんは一度投獄されたことがあり、ショウバーシーさんはその間に法律学校へ通って法律家としての知識を身につけた。
1970年に第2代大統領ナセルが死去すると、夫婦でフランスへの移住に踏み切った。続くサダト政権から、逮捕歴のあるアリさんが目を付けられたためだ。
ショウバーシーさんは学生時代にフランス語で教育を受けていたため語学は堪能で、現地のラジオ局に働き口を得る。ラジオ局ではジャーナリストとして長く働いたが、エジプト人としての愛国心やイスラムへの信仰がもとになって職場でトラブルが起きたこともあったという。
その一つは、…
この記事は有料記事です。
残り3209文字(全文3985文字)
時系列で見る
-
ジェンダー視点で生きやすく 商業施設でイベント 国際女性デー
523日前 -
無意識の偏見ありませんか 大学生が中学生にジェンダー平等授業
523日前 -
横山百合子氏が語る「日本でジェンダーギャップが生まれた理由」
523日前 -
林文子・横浜市長、10分以上の熱弁 森氏発言にみる男性の意識
524日前 -
丸川氏の夫婦別姓反対 首相「さまざまな考えを持つことは当然」
524日前 -
「私が男性なら、されなかった」越直美・前大津市長が問う性差別
524日前 -
女性登用の数値目標なぜ必要? 森氏は否定、でも男性救う可能性
525日前 -
小池百合子知事に聞く 「森氏の発言は目覚ましになったのでは」
525日前 -
7カ月の長男と議場入りで波紋 熊本の女性市議が訴える環境整備
526日前 -
女性大量当選のエジプトで83歳新人議員誕生 差別と闘った半生
526日前 -
「体を近づけたら票に」 最年少の女性市長が明かすハラスメント
526日前 -
真の男女平等へ 日本は変わらなければならない
528日前 -
小谷実可子氏トップ、ジェンダー平等チーム発足 組織委
529日前 -
五輪の理念「ジェンダー平等」 現実とのギャップは埋められるか
529日前 -
丸紅の「新卒総合職の半数を女性に」は「優遇」なのか
532日前 -
五輪の女性疎外は最近まで 「女性とスポーツ」専門家に聞く
533日前 -
女性蔑視発言 ネット署名を呼びかけた慶応大生が感じたこと
534日前 -
橋本聖子氏は「わきまえない女性」になれるのか 残る三つの懸念
535日前 -
五輪組織委新会長、選考プロセスに不満も 「出来レースでは」
535日前