「傷つけるならパパの腕を」 リストカット繰り返した娘は立派に育った
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東日本大震災から3月11日で10年を迎える。毎日新聞は400人を超える震災遺児と孤児、その保護者たちにアンケートを送り、遺児と孤児181人と保護者163人から回答をもらった。それぞれの「10年」の営みが見えてくる返事を寄せてくれた遺(のこ)された子どもやその家族を記者が訪ねた。
「私にとって震災で何が一番きつかったかというと、娘の部屋でカッターナイフと作業用ロープを見つけた時ですね」。私のレンタカーの車内で、助手席に座るかっぷくの良い男性はぽつりと言った。芳行さん(仮名)とは仕事帰りの午後6時、宮城県内の道の駅の駐車場で待ち合わせた。
35歳の時、津波で妻を失い、小学3年と5年、中学2年だった3人の娘を育ててきた。「完全なママっ子だった」という三女の早紀さん(同)は中学生の時にリストカットを繰り返す。シングルファーザーの芳行さんはどのように向き合い、どんな言葉をかけたのか。「震災の直後に落ち込む子もいれば、1年後、3年後、あるいは5年後になってから来る子もいる。三女はそっちのタイプだったんでしょうね」。そう言うと、ヘッドライト…
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