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菅首相長男接待

総務省幹部が「東北新社」に勤める菅首相の長男から接待を受けていた問題。特別扱いの構図が浮かび上がりました。

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相次ぐ官僚の接待問題 すさまじいモラル崩壊だ

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 官僚が利害関係者から接待を受ける不祥事が相次いでいる。

 総務省と農林水産省の幹部らが、国家公務員倫理規程違反で処分を受けた。許認可権を握る省庁の事務方トップ級と関係業者の癒着ぶりにあぜんとする。

 総務省は、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男らから接待を受けていた幹部11人を処分した。

 山田真貴子内閣広報官も同省総務審議官時代に、長男らとの会食で7万円超の接待を受けていた。

 山田氏は「心の緩みだった」と国会で陳謝したが、「女性の目線を踏まえ、自らを改善していきたい」と辞任は否定した。

 長男の同席については「私にとって大きな事実ではない」と述べるだけだった。なぜ参加したのか、納得のいく説明はなかった。

 山田氏は内閣の重要政策を広報する責任者だ。国民との信頼関係が欠かせない職務であり、続投は理解できない。

 首相が緊急事態宣言の一部解除にあたって記者会見を開かなかったのは「山田氏を隠すためではないか」との疑念も生まれている。既に政府広報の支障になっているのではないか。

 農水省は鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループを巡る汚職事件に関連し、事務次官ら6人を処分した。当時の吉川貴盛農相に誘われ、アキタ側から接待を受けた。

 吉川氏は自民党総裁選で首相の選対幹部を務め、首相に近い。

 「政と官」の関係がゆがみ、官僚は首相官邸の顔色をうかがうばかりで、国民を向いて仕事をするという基本を踏み外している。

 そもそも倫理規程は、1998年の旧大蔵省の接待汚職を契機に作られた。当時は官僚側のおごりが原因だったが、最近は政治への過度な恐れや従属が背景にあるのではないだろうか。

 安倍前政権下では、内閣人事局が省庁幹部人事を一元管理し、統制を強めた。官僚は異論を唱えにくくなり、政権へのそんたくがはびこった。権力に近い者が特別扱いされる縁故主義も目立つ。

 問題を起こした省庁が責任を問われるのは当然だが、官僚スキャンダルに終わらせてはならない。不祥事が相次ぐような構造を作ったのは政治の責任だ。

【菅首相長男接待】

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