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◆金智英(キムジヨン)さん
(筑摩書房・2420円)
「他者」との詩人の出会い
茨木のり子(1926~2006年)は戦後を代表する女性詩人の一人で、「根府川の海」「自分の感受性くらい」などの詩で知られる。50歳からハングルを学び、エッセー集『ハングルへの旅』や翻訳詩集『韓国現代詩選』を出版した。この情熱が何に由来したのかを、韓国人の日本文学研究者が探求した。表題は詩人が生前、動機を尋ねられた際に答えた言葉である。
「自分のルーツが朝鮮にあるのではないかと茨木は書いています。75年に夫と死別したのが直接の契機ですが、背景には祖母の影響など、幼い頃からの関心がありました」
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