特集

東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

特集一覧

漂流の果て

原発事故10年「変わってない」 元国会事故調・野村氏のいらだち

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
インタビューに応じる野村修也さん
インタビューに応じる野村修也さん

 東京電力福島第1原発事故を「人災」と断定した国会事故調査委員会の委員として、東電や官邸の責任を追及した弁護士の野村修也氏(58)は、ID不正入室や地震計の故障を放置していたことなど、東電の相次ぐ不祥事に怒りをにじませる。事故から10年、東電の変化や原発政策について聞いた。

 ――事故から10年たちますが、事故調の報告書は東電の経営に生かされているのでしょうか。

 ◆今年1月以降、柏崎刈羽原発で相次いで不祥事が発覚した。東電社員が同僚のIDカードを使って中央制御室に不正に出入りしていたことが報道によって明らかになり、数日後には「完了した」と公表していた安全対策工事が終わっていなかったことを発表した。さらに、福島第1原発3号機の地震計2台が故障していたのを放置し、2月13日に福島県で最大震度6強を観測した地震のデータを観測できていなかった。これらの不祥事に、「ああ、変わっていないな」と残念に思った。事故を起こして誓ったはずの安全対策の水準を維持できておらず、大変危険なものを扱うという緊張感が乏しい。

 事故前と比べて国際的にテロは増え、テロリストが原発に入り電源喪失を起こす可能性だってある。自然災害への対応だけではなく、テロ対策はもはや原発の安全対策上、不可欠だ。それにもかかわらず、他の社員のIDで入れてしまった。これらの不祥事の背景にあるのは、…

この記事は有料記事です。

残り1757文字(全文2335文字)

【東日本大震災】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集