原発再稼働、幻のシナリオ 東電不信が再燃 東京に電気送る新潟
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東京電力福島第1原発事故を機に、日本のエネルギー政策は根底から見直しを迫られた。しかし、10年たっても原発とどう向き合うのかは曖昧なままで、政策は漂流しているように見える。この国はどこへ向かおうとしているのか。
「南海トラフ地震が発生したら柏崎刈羽が必要」
「南海トラフ巨大地震が発生すれば東京湾に集中している火力(発電所)が全滅する恐れがある。柏崎刈羽にスタンバイしてもらわなければ困ります」。昨年11月27日、新潟県議会の自民党会議室で党県議を前に、保坂伸・経済産業省資源エネルギー庁長官は東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働の必要性を力説した。
同日夜には新潟市中心部の居酒屋で保坂氏と県議らは地元の銘酒を酌み交わしながら親交を深め、2次会にも繰り出して深夜まで盛り上がった。自民党県連幹部は語る。「人間関係も信頼関係もできている。仮に原発を動かすなら我々が国とのパイプになる」
東日本大震災によってメルトダウン(炉心溶融)を起こした東京電力福島第1原発の原子炉建屋が水素爆発で吹き飛ぶ映像は全世界に大きな衝撃を与えた。54基の原発はすべて運転を停止し、当時の民主党政権は将来的な「原発ゼロ」を打ち出した。その後、2012年末に発足した第2次安倍政権は原発回帰の姿勢を鮮明にし、菅政権も脱炭素の名の下に原発を最大限に活用しようとしている。
幻となった経産相訪問と今夏の再稼働
事故から10年の節目を迎えた21年。政府が目指すのは、…
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