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わざおぎ登場

中村歌六さん 「熊谷陣屋」を語る 口跡の良さで感情を込め=完全版

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二月大歌舞伎の「熊谷陣屋」について語る中村歌六さん=東京都中央区で2021年2月12日、藤井太郎撮影
二月大歌舞伎の「熊谷陣屋」について語る中村歌六さん=東京都中央区で2021年2月12日、藤井太郎撮影

短時間でも強烈な印象

 登場時間こそ少ないが強烈な印象を残す。東京・歌舞伎座「三月大歌舞伎」(3月4~29日)の第二部「熊谷陣屋(一谷嫩軍記=いちのたにふたばぐんき)」で中村歌六さんが演じる白毫弥陀六(びゃくごうのみだろく)実は弥平兵衛宗清は、そんな人物である。高齢ながら、気骨のある武人ぶりを示す。

 源平の合戦で平家の敗色が濃厚となったころの物語で、1751年に人形浄瑠璃で初演され、歌舞伎に入った義太夫物だ。「熊谷陣屋」は、全五段の三段目部分で、源氏方の武士、熊谷直実の陣屋が舞台となる。

 平敦盛を討った熊谷が帰った陣屋には女房相模と敦盛の母藤の方がいた。敦盛は実は後白河法皇の子。熊谷は敦盛を助けるため、自分の子の小次郎を身代わりに立てて殺害していた。

 現在の主な上演形態では弥陀六が現れるのは、熊谷が源義経の前で敦盛の首実検をし、舞台をいったん去ったあとだ。敦盛が替え玉と気づいて主君源頼朝に知らせに走ろうとした梶原平次を、背後から石のみを投げつけて殺害する。弥陀六はそのまま立ち去ろうとしたところを義経に呼び止められる。「大変、インパクトの強い登場です」と歌六さん。

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