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テレワークのあり方 働き手本位の環境作りを

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 新型コロナウイルスの感染防止策として広がった在宅勤務などテレワークのあり方について、厚生労働省は3月にもガイドラインを全面的に改定する。

 現行は労働時間のルール説明などにとどまっている。厚労省の有識者検討会が昨年末にまとめた報告書で、労働者が安心して働けるよう見直しを求めていた。

 テレワークには通勤時間がなくなるなど利点もあるが、課題も多い。まず私生活との境界があいまいで、長時間労働につながる恐れがあることだ。

 パソコンの使用時間など客観的なデータから、労働時間を把握する企業もある。長時間労働を防ぐため、企業の取り組みを紹介し改善につなげる必要がある。

 労働時間が過少申告されるという問題も起きている。

 連合の昨年の調査では、6割強の人が残業代を申告していなかった。申告しにくい雰囲気を理由に挙げる人が3割近くに上った。

 実態がそのまま申告に反映される環境を企業は整備する必要がある。留意点として明記すべきだ。

 適正な人事評価をするためのルール作りも急がれる。

 出社しているかどうかで差を付けたり、勤務時間外のメールに対応しなかったことだけで低く評価したりすることは不適切だ。

 評価基準を明確にし、透明性を打ち出すことが求められる。

 テレワークでは対面で話す機会が減るため、上司や同僚らと意思の疎通を欠きやすくなる傾向がある。オンラインで雑談の機会を設けるなどの工夫も大切だ。

 孤独や不安から精神的なストレスを感じた人が産業医と相談できるようにするなど、メンタルへルスも注意が必要だ。

 オンラインの環境整備にかかる費用は労働者だけが負担するのではなく、労使で話し合い、企業が応分の負担をすべきだ。

 同じ仕事をしながら非正規雇用の人のみをテレワークの対象から外すことがあるという。雇用形態の違いによる差別的な扱いはあってはならない。

 テレワークはコロナが収束した後も新しい働き方として社会に定着する可能性が高い。働き手本位の環境作りにつながる指針にしなければならない。

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