ヒバクシャ

2021 岸君江さん(74) 独りきり、吐き出す鬱積

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
岸君江さんは多くの時間を過ごすベッドの上で原爆小頭症と過酷な半生について語った=広島県三次市で2005年8月、西村剛撮影
岸君江さんは多くの時間を過ごすベッドの上で原爆小頭症と過酷な半生について語った=広島県三次市で2005年8月、西村剛撮影

 <核なき世界はまだか documentary report 267>

 昨年10月、広島市東区の保養施設に、原爆小頭症患者とその家族、支援者でつくる「きのこ会」のメンバー約40人が集まった。2004年から続く年1回の合同誕生会。誕生日ケーキを囲む患者の中に、岸君江さん(74)の姿はなかった。「みんなに会えるのが待ち遠しゅうてならんの」。そう言って欠かさず参加してきたが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、入所する高齢者施設から行くことはかなわなかった。

 妊娠早期の母親の胎内で被爆した原爆小頭症患者は、重い知的障害のある人が多い。脳の障害が比較的軽い岸さんは他の患者にも頼られる存在で、苦しみや不安、原爆への憎しみを自分の言葉で率直に語ってきた。

この記事は有料記事です。

残り3642文字(全文3966文字)

あわせて読みたい

注目の特集