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ファクトチェックの懸け橋
司会 インフォデミック(誤情報の拡散)の話に移ります。統合デジタル取材センターがインフォデミックと戦いながらファクトチェックを続けています。
西田委員 世界保健機関(WHO)がインフォデミックの問題に警鐘を鳴らしたのは20年2月だ。日本社会における情報をめぐる問題への対応は、新聞に限らず薄かったし、遅かったと言わざるをえない。この問題は新型インフルエンザの流行、まん延時の政府統括にも、リスクコミュニケーションの問題として指摘されていた。この間、SNSやインターネットが主流という情報環境の大きな変化があったのに、多くのマスメディアはそうした状況を念頭においてこなかった。情報量が多くなる一方で、対応が報道の分野でも十分されていない印象を受ける。WHOは、正しい情報は偽情報に比べて地味だと言っている。そこを強調し、さらに適切なインフルエンサーに対して直接コミュニケートすべきだと言っている。
ワクチンの問題と関係するかもしれないが、日本では科学的リテラシー全体の脆弱(ぜいじゃく)さもある。それを補強する役割もメディアが担っていく必要がある。
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