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岸田氏が語るケリー氏 気候変動問題で米の顔に 対中姿勢は?

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COP21議長を務めたファビウス仏元外相から贈られたという、パリ協定が採択された時に使われた木づちを手に思い出を語る岸田文雄元外相=東京都千代田区で2021年2月4日、吉田航太撮影
COP21議長を務めたファビウス仏元外相から贈られたという、パリ協定が採択された時に使われた木づちを手に思い出を語る岸田文雄元外相=東京都千代田区で2021年2月4日、吉田航太撮影

 発足から1カ月たった米国のバイデン政権の中で、役割や影響力がどれほど大きいか内外で注目されているのが、気候変動問題担当大統領特使に就任したジョン・ケリー元国務長官だ。バイデン大統領は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰し、気候変動対策を外交と国家安全保障の中心に据えるとする大統領令に署名しており、政権の中核政策を担うことになる。国務長官当時のケリー氏と、外相として40回以上会談した岸田文雄元外相に、ケリー氏との「付き合い方」を聞いた。【政治部/加藤明子】

最大の関心事 盟友に託す

 「バイデン氏は自分が最も関心を持っている分野をケリー氏に任せた」。岸田氏はこう分析した。「2人は共に上院外交委員会で活躍した。バイデン氏はオバマ政権の副大統領に就任するまで外交委員長を務めており、その後任がケリー氏だった。議員時代から同じ場で汗をかいてきた2人の人間関係は大変厚いものがあるのではないかと想像していた」

 共和党のブッシュ政権は、温室効果ガスの排出削減を先進国に初めて義務付けた京都議定書に参加しなかった。これをバイデン氏は批判。オバマ政権発足前の2005年に、外交委員会で米国に地球規模の気候変動に取り組むよう促す決議を出している。

 オバマ政権が発足すると、15年の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向け、京都議定書の規制が及ばなかった中国を巻き込み、パリ協定採択に尽力した。オバマ大統領と中国の習近平国家主席は翌16年、パリ協定の批准を共同発表。当時、こうした気候変動の国際交渉を主導したのがケリー氏だった。気候変動では最大の温室効果ガス排出国である中国との連携が不可欠だ。バイデン政権は対中強硬姿勢を示しているが、中国との交渉の中で「気候変動と安全保障をてんびんにかけるのではないか」との懸念も同盟国などにはある。

4年間「カウンターパート」

 ケリー氏は04年の米大統領選で民主党の大統領候補を務めるなど、米政界の重鎮だ。オバマ政権2期目の13年1月に国務長官に就任。岸田氏は12年12月から17年8月までの5年弱の間、外相を務めており、この期間の大部分の米側のカウンターパートがケリー氏だった。この間、電話協議を含めて40回以上会談した。16年5月のオバマ氏の広島訪問、同年12月の安倍晋三首相(当時)のハワイ・真珠湾訪問という「日米和解」を象徴する相互訪問のための環境整備もケリー氏と岸田氏が行った。

 岸田氏は2人の関係をこう振り返る。「ケリー氏と私は相性が良かった。私から見たジョン・ケリー氏は…

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