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バーの悲哀 /東京

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 やるせない。5年ほど通っていた新宿区のバーが2月いっぱいで店を閉めることになった。午後8時閉店の時短営業で、売り上げゼロの日も少なくなかったという。資金繰りに神経をすり減らす日々。店を構える貸しビルの建て替えに伴い移転先を探すはずだったが、新型コロナウイルスの「第3波」と緊急事態宣言で意欲を失った。「やってらんないよ」。店長は吐き捨てるように言った。

 一方で午後8時以降にこっそり営業するバーもある。何度か足を運んだことがある別の区の店は、常連客の求めがあると「閉店」の看板をかけたまま店を開く。周囲の目が厳しいから大っぴらには開けられないのだとか。「店員に給料を払わなくてはいけないんだ」とマスター。こそこそするのは時短営業の協力金を受け取るためかと勘ぐったが、深刻な表情にいたたまれなくなり、聞けなかった。

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