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2020年1月まで大津市長を務めた越直美さん(45)は、当時歴代最年少の女性市長として注目され、いじめ自殺事件を巡る対応も話題となった。今は弁護士として活動し、企業に女性役員を増やす取り組みも進める。全国でわずか2%という女性首長の少なさをどう考えているのだろうか。【塩田彩/統合デジタル取材センター】
女性は首長選に強い
――12年の初当選時も今も、全国で首長になる女性が圧倒的に少ない状況は変わっていません。越さん自身は出馬にあたり、女性であることを理由に壁を感じたことはありましたか。
◆1期目の選挙は36歳の時でした。若い、経験がないという声はあったけれど、女性だからという批判は聞きませんでした。逆に「大津市を変えたい」という有権者の思いと、若い女性であることのイメージがつながり、評価してもらえたように思います。選挙では、市民は性別に関係なく正当に候補者を評価していると感じました。女性だからダメだと言われるなら、私は選ばれていないわけですから。
有権者の半数は女性です。女性はむしろ首長選のような直接選挙の方が戦いやすいのではないかと思うのです。一方、日本で総理大臣になるためには、まず政権与党の総裁にならなければなりません。これまでも、自民党総裁選に女性議員が出馬しようとしたけれど推薦人が集まらず、断念したことがありました。政党に限らず、既にある組織内の男性優位の文化やしきたりの中では、女性がトップに立とうと思っても潰されてしまうのが現状だと思います。
――地方議会や行政経験がないまま、外の世界から政治の世界に飛び込みました。
◆私は02年から日本の法律事務所で弁護士として勤務し、09年から米国の法律事務所で働きました。法律事務所の経営者に女性が多かったり、男性が育児休業を取ったりしているのを見ました。でも当時の日本では、働く女性の5~6割が第1子出産後に離職。保育園の待機児童問題も深刻でした。外から見て初めて、女性が仕事か子育てかの二者択一を迫られるような日本社会が見え、変えたいと思ったのです。
自分で保育園を開設・運営するという選択肢もあったかもしれませんが、保育園を増やす権限があるのは市長だし、私は大津市で育ち、大津市が大好きなので、市長選に出ようと思い立ちました。
当時の市長は自民党の元国会議員だったので、自民党以外の政党に支援をお願いしました。その中でも、女性であることを理由に難色を示されたことはありませんでした。
「言うこと聞かない」と怒鳴る男性
――女性議員が有権者や周囲の男性議員などからハラスメントを受ける「票ハラ」という言葉もあります。越さんは市長時代、そうした経験はありますか。
…
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