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「やっと願いがかなって三陸鉄道(さんてつ)の絵本を出せました」。岩手県久慈市の詩人、宇部京子さんから、絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」が届いた。
絵本を開き、はっとした。岩手県の三陸海岸を縦貫する「さんてつ」の奇跡の物語はすっかり知っているつもりだった。震災5日後、がれきの街に列車を走らせ、被災者を励まし、復興の象徴だったこと。何度も書物や記事で読んできた。でも、この絵本は何か違う。土地の言葉で、そこに暮らす人々のまなざしで描かれているのだ。
がれきの街にポーポーと警笛が鳴る。<うそだべ、どおもった。はしれるわげ、ないべって。(略)となりのむらは、せんろもぶっとんでなぐなってるのに>。列車のドアが開くと、<わあーっと、ひとがおりできた。おおきなにもつにスコップもって。だれかにたのまれたんじゃない。じぶんでたすけなぎゃっておもったんだ>
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