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菅首相長男接待

総務省幹部が「東北新社」に勤める菅首相の長男から接待を受けていた問題。特別扱いの構図が浮かび上がりました。

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山田内閣広報官が辞職 対応はまた後手に回った

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 遅すぎる判断だったというしかない。ここまで放置してきた菅義偉首相の責任は極めて重い。

 首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」から7万円余の接待を受けていた山田真貴子内閣広報官がきのう、辞職した。

 山田氏は体調不良で入院し、「広報官としての職務を続けられない」と辞表を提出したという。

 しかし実態は、世論の批判が収まらず、追い込まれた末の引責辞職である。

 一般常識をはるかに超える高額接待だっただけではない。山田氏が当初、会食の「記憶はない」と説明していた点も看過できない。総務省が会食を調べた報告書をまとめると、一転して認めて謝罪したものの、その後も詳細については曖昧な国会答弁を繰り返した。

 政府の政策を国民に説明するのが内閣広報官だ。それがこの姿勢では政府全体への信頼を失う。

 同時に菅首相も「女性の広報官として期待している」と、山田氏を続投させる考えを示し続けた。これも理解できない対応だった。

 菅首相は総務相時代から山田氏に期待してきたという。今回の辞職後も、首相は「残念だ」と言うだけだ。首相の任命責任を問われても答えをはぐらかした。

 本当にこのままで乗り切れると考えていたのだろうか。だとすれば、全く感覚がずれている。

 新型コロナウイルス対策と同様、今回も対応が後手に回った。首相への不信や不満がいっそう広がるだろう。

 菅首相は先週、緊急事態宣言の一部解除にあたって記者会見を開かなかった。会見の司会役である山田氏を隠すためではなかったかとの疑念は消えない。

 しかも会見に代わって行われた記者団の取材では「同じような質問ばかりではないでしょうか」といら立って質問を打ち切った。冷静さを失っているのではないか。

 総務省の接待問題では、東北新社が放送事業に関して何らかの優遇措置を受けたのではないかという疑惑の核心がなお未解明だ。

 山田氏が入院したことで、国会への招致は見送られた。だが体調が回復したら、国会できちんと説明すべきだ。逃げたり、ごまかしたりしないことが、菅政権にとって信頼回復への一歩となる。

【菅首相長男接待】

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