「世界最大の海軍」擁する中国 上海で進む「神速」の新鋭艦建造

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2隻同時に建造が進む強襲揚陸艦「075型」。平らな甲板、船尾の開口部が特徴だ=中国上海市で2021年2月17日、河津啓介撮影
2隻同時に建造が進む強襲揚陸艦「075型」。平らな甲板、船尾の開口部が特徴だ=中国上海市で2021年2月17日、河津啓介撮影

 中国最大の国際経済都市・上海。国内有数の造船拠点であり、中心部を流れる黄浦江沿いにドックがひしめく。「造艦強軍 造船興国」。重油の臭い漂う一角に「滬東(ことう)中華造船」のスローガンが掲示されていた。同社の造船所では台湾侵攻を含む上陸作戦の能力向上に向け、中国初の強襲揚陸艦「075型」の2、3番艦の建造が急ピッチで進む。100年前の1921年に中国共産党が創設された地である上海が今、膨張する中国のシーパワー(海洋力)を支える。

 強襲揚陸艦を造るドック周辺には近寄れず、渡し船から試験航海に向けた整備の続く2隻を見た。

 空母に似た平らな甲板と船尾の大きな開口部が目を引く。全長約250メートル、満載排水量は3・5万~4万トン。海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を上回り、4万トンの米海軍のワスプ級強襲揚陸艦に匹敵する。

 中国紙によると、「075型」はヘリ30機を搭載し、格納した揚陸艇や水陸両用車両が船尾の開口部から水上に発進できる。台湾や沖縄県・尖閣諸島のような島しょ部への上陸作戦に力を発揮。また「ミニ空母」として遠洋への戦力展開にも活用できる。

 目を見張るのは、その建造スピードだ。1番艦は2019年9月に進水し、上海を離れて試験航海を重ねる。2番艦は20年4月、3番艦が21年1月に進水。1年半足らずで3隻を進水させた造船能力を国内メディアは「神速」と表現した。

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