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まもなく姿消す旧国鉄車両「185系」 写真家が感じる魅力

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満開の桜で彩られた伊豆多賀駅(静岡県熱海市)で伊豆急行の100系電車と離合する185系トップナンバー編成の下り特急「踊り子」=国鉄伊東線伊豆多賀駅で1983年4月9日、諸河久さん撮影
満開の桜で彩られた伊豆多賀駅(静岡県熱海市)で伊豆急行の100系電車と離合する185系トップナンバー編成の下り特急「踊り子」=国鉄伊東線伊豆多賀駅で1983年4月9日、諸河久さん撮影

 国鉄時代末期に誕生した特急電車が、3月13日のJR東日本のダイヤ改正を機に第一線の定期運用から退く。その名は「185系」。主に特急「踊り子」として約40年間、首都圏と静岡県の伊豆を結んだ。多くの観光客らに愛された車両の往年の雄姿を捉えた写真集「185系特急電車の記録」(フォト・パブリッシング)がこのほど出版された。著者である写真家の諸河久さんとフリーランスライターの北沢剛司さんに、その魅力を聞いた。

 「これまでの車両に比べて、斬新な印象を持ちました」。185系が登場した1981年当時を、そのように振り返るのは鉄道写真の大御所である諸河さん。白地の車体に緑の3本のストライプが斜めに入るデザインは、濃いクリーム色とえんじ色をまとった従来の特急車両のカラーリングとは、一線を画すものだった。

 30代半ばだった諸河さんは鉄道雑誌「鉄道ファン」のスタッフを経て、ちょうどフリーになったころ。「185系は東京の人の目に触れることも多く、単行本や雑誌などへのニーズも高かったので、機会があるごとに撮っていました」と話す。写真集をめくれば、185系は相模湾や満開の伊豆の桜に映え、まるで美しい絵画のようだ。

 185系の目新しさは、外見だけではなかった。「特急から通勤列車まで使えるマルチパーパスで、汎用(はんよう)性のあることが特徴の一つでした」と諸河さん。背景には、東海道線の急行・普通列車に使用され「東…

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