特集

東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

特集一覧

3・11それから

「会いたい」という母いても「独り」 父に続き祖母失った21歳の今

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 東日本大震災で被災した人たちを毎日新聞記者は継続して取材し、「いま」を伝えてきた。今回登場する男性は2012年夏と19年春に取り上げた。震災10年を前に思いを聞いた。

   ◇

 岩手県宮古市田老の漁師で消防団員だった久保田伸明さん(当時43歳)は、その大きさから「万里の長城」と呼ばれた防潮堤の水門を閉めようとして津波にのまれた。残された当時11歳の一人息子、海世(かいせい)さんには、生後間もなく家を出た母の記憶はない。震災後のある日、一人の女性が訪ねてきた。数年前に海で父と話し込んでいた人だった。「母親だよ」と祖母のヤエさんが教えてくれた。海世さんは中学校までは父の姉である吉水久美子さん(56)の家で、高校ではヤエさんと仮設住宅や災害公営住宅で暮らした。母は高校の卒業式にも来たが、海世さんが面会を断ると、目に涙を浮かべて帰って行った。海世さんは18年、仙台市の大学に入学した。

この記事は有料記事です。

残り2542文字(全文2936文字)

【東日本大震災】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集